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第541条(催告による解除)


【改正法】
第4款 契約の解除
(催告による解除)
第541条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
【旧法】
第3款 契約の解除
(履行遅滞等による解除権)
第541条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。

※上記赤字の部分が改正部分です。

【解説】

本条は、解除に関する規定ですが、解除に関する規定は540条から548条まであります。今回の改正では、この解除については、かなり規定が整理し直されています。

本条の541条は、「債務を履行しない場合」とのみ規定されていますが、これは主に履行遅滞に関する規定であると理解されています。同様に旧法542条の定期行為も履行遅滞に関する規定ですが、それと543条の履行不能の規定と合わせて、改正がなされています。

ただ、この履行遅滞による解除権については、但書の追加のみになっています。つまり、旧法では、履行遅滞の場合には、催告の上、解除できる旨の規定だけでしたが、改正法では債務不履行が軽微なときは解除できない旨の但書が追加されています。

旧法においては、「債務を履行しない場合」とだけ規定されているので、文言上あらゆる債務不履行について解除が認められるように読めますが、判例においては、付随的な債務不履行や、不履行の程度が必ずしも重要でない場合は、催告をしたとしても解除が認められないとしています。

付随的な債務の不履行の例としては、「長時間連続して使用すると本体に熱がこもり、破損するおそれがある」という使用上の注意を付すことを怠った場合などが挙げられます。また、不履行の程度が必ずしも重要でない場合の例としては、売買の目的物であるパソコン本体に、目立たない程度の引っ掻き傷がついていたような場合です。

以上より、改正法では「債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるとき」には催告解除ができない旨の但書を追加しています。

なお、債務不履行による解除一般について、債務者の帰責事由がなくても解除ができるようになった点については、第543条の解説を参照して下さい。

最後に、改正法でどのように解除の規定を整備し直したかをまとめておきましょう。

■改正法の条文のまとめ

条文等 事由
541条 催告解除 履行遅滞等(軽微な不履行除く)
542条 無催告解除 全部解除
(1項)
①全部不能
②債務者の全部の履行拒絶
③一部履行・債務者の一部の履行拒絶+契約の目的不達成
④定期行為
⑤その他履行見込みがない
一部解除
(2項)
①一部不能
②債務者の一部の履行拒絶
543条 解除不可 債権者に帰責事由