個数問題

【解説】

本日は、最近の宅建試験でよく採用されている特殊な出題形式である「個数問題」について説明しましょう。

具体的には、下記のようなものです。↓
平成27年 【問41】

四肢択一形式の通常の問題は、「正しいもの」又は「誤っているもの」、あるいは宅建業法等に「違反するもの」又は「違反しないもの」はどれか、という形で、四肢のうちのどれか一つだけ「正しい」「誤り」「違反する」「違反しない」があって、その一つを選択させるという形です。

したがって、極端な場合は、肢の3つが分からなくても、肢の一つが「正しい」(又は「誤り」)と分かっていれば、解答できる場合があります。
逆に、「消去法」で、肢の一つが分からなくても、残りの3つの肢が「誤り」と分かっていれば、分からない肢は「正しい」(又はその逆)と推測が付いたりします。
つまり、4つの肢がすべて分からなくても解答できる場合が結構ある、ということです。

しかし、個数問題は、選択肢があって、そのうちの「正しいもの」又は「誤っているもの」の「個数」を答えさせるわけですが、4つ(3つの場合もある)の肢の正誤がすべて分からなければ解答できないことになります。
したがって、先ほど書いた消去法等の「受験テクニック」が使えないことになります。最近の宅建試験は、要領のよい受験テクニックのようなものを嫌いますので、個数問題が大変増えています。特に、宅建業法の範囲においてこの傾向が顕著です。
宅建業法は、ある程度問題が「出尽くしている」感じなので、それも原因の一つになっています。

したがって、個数問題対策というのは、「ない」というのが結論になります。

ただ、心配しないでいただきたいのは、一般的に個数問題の各肢は、基本的な問題が多いということです。すべての肢の正誤が分からなければ正解できない個数問題において、肢の一つでも難解な問題があると、正解は導けなくなってしまうからです。
したがって、個数問題については、あまり苦手意識を持つのではなく、「これは基本的な問題なんだ」と思って、落ち着いて一つずつの正誤を判断して行って下さい。もし、難しい肢を含むのであれば、その問題は極端に正解率が下がりますので、合否に影響しない難問だ、ということになります(宅建試験は「満点」を取る必要はない)。

ここで、当学院の宣伝になりますが、当学院の過去問集は「一問一答」形式になっています。ということは、すべての過去問の肢一つ一つについて、正誤を判断しなければならないので、過去問集全体が個数問題のような形になっています。
これは、学習にあたって、正確な知識を得るためには、この一問一答形式が役に立つ等の理由で採用したもので、現在のように個数問題が多くない時代から採用していました。
しかし、結果として現在のように個数問題が増えてきますと、当学院の過去問集全体が個数問題対策のようになっています。
過去問の正確な知識を得るためにも、また、個数問題対策としても、当学院の過去問集は役に立つものだと確信しています。

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