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追完権
【改正法】 なし |
【旧法】 なし |
※上記赤字の部分が改正部分です。
【解説】
債務者が債務不履行に陥った場合、債権者は契約を解除し、代替取引をすることによって当初の経済目的を達することが可能です。これに対して、債務者が債務を履行して反対給付を受ける権利(追完権)は、現状において特段規定されていません。これは、自分が一度債務不履行をしている以上、仕方がないといえば、仕方がありませんが、債権者が解除権を有することを考えると、不均衡ではないか、ということで追完権の規定を新設するというのが検討されました。
しかし、様々な紛争類型がある中で、追完請求権の内容や、追完の方法も様々なパターンがあり、追完権の内容もはっきりしません。
また、催告解除の場合には、解除をする前に催告をすることになるので、この催告の際に債務者は追完をすればいいので、この催告制度により債務者の追完の利益は保護されていると考えることもできます。
ということで、特に追完権の規定を新設することはされませんでした。