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第601条(賃貸借)


【改正法】
(賃貸借)
第601条 賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。
【旧法】
(賃貸借)
第601条 賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

※上記赤字の部分が改正部分です。

【解説】

本条は、賃貸借の定義の中に賃借人の目的物返還義務を追加した改正になります。

旧法では、賃借人の義務として賃料支払義務のみが規定されていますが、それだけではなく、賃貸借契約終了時に、賃借人に目的物返還義務もあることは当然のことです。しかし、旧法では直接これを規定する条文はなく、その根拠は旧法616条で準用する597条1項(借用物の返還の時期)とされていました。

しかし、賃借人の目的物返還義務は、賃借人の最も基本的な義務の一つであり、賃貸借を特徴づける要素です。このような基本的事項は、民法の明文で規定すべきであるということで、改正法で追加されることになりました。