※この記事は一般的な条文解説で、宅建等の資格試験の範囲を超えた内容も含みます。当サイトの記事が読みやすいと感じた方は、当サイトと資格試験向け教材の関係をご覧下さい。
第564条(買主の損害賠償請求及び解除権の行使)
【改正法】新設 (買主の損害賠償請求及び解除権の行使) 第564条 前2条の規定は、第415条の規定による損害賠償の請求並びに第541条及び第542条の規定による解除権の行使を妨げない。 |
【旧法】 なし |
※上記赤字の部分が改正部分です。
【解説】
本条は契約不適合責任の一つとして、損害賠償及び解除を認める規定になります。
「前2条」という言葉で分かりますように、本条は、引き渡された「目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない」場合ということになり、「物」についての契約不適合に関する規定になります。
損害賠償と解除については、旧法においても認められていたもので、改正法でもそのまま認められています。ただ、旧法の瑕疵担保責任においては、「解除」をするには「契約をした目的を達することができない」場合にのみ解除が認められていましたが、改正法では、その文言がありません。通常の契約解除の場合と同様の扱いということになりますので、第541条の規定により「債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるとき」は解除できませんが、「契約をした目的を達することができない」場合に至らない場合でも解除できることになり、解除できる範囲が広がったといえるでしょう。