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第549条(贈与)


【改正法】
(贈与)
第549条 贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
【旧法】
(贈与)
第549条 贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。

※上記赤字の部分が改正部分です。

【解説】

本条は、一部の文言の改正です。「自己の」→「ある」という部分です。

これはどういう意味があるか分かりにくい人もいるかと思いますが、判例は、他人物贈与も有効であるとしています。したがって、贈与の定義として「自己の」財産という表現では不適切だ、ということです。そこで、他人物贈与も認められるように、単に「ある」財産というふうに変更されました。

なお、売買では、他人物売買(560条)の規定がありますが、同様に他人物贈与の規定を設けることも、改正の議論の中で出てきましたが、見送られています。