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第448条(保証人の負担と主たる債務の目的又は態様)


【改正法】
(保証人の負担と主たる債務の目的又は態様)
第448条 保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。

2(新設) 主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されない。
【旧法】
(保証人の負担が主たる債務より重い場合)
第448条 保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。

※上記赤字の部分が改正部分です。

【解説】

本条は、第1項は旧法そのままで、第2項の新設ということになります。ただ、この第2項も従来から認められていた考え方で、それを条文で明確にしたという内容です。

旧法は、保証債務のいわゆる内容における付従性というもので、保証債務の内容が、主たる債務より重い場合には、主たる債務の内容まで縮減されるという規定です。この規定については、保証契約が成立した後に、主たる債務の内容が加重された場合の処理については明文の規定がありません。

この点について、保証契約が締結された後に主債務の内容が加重された場合に、保証人の関与がない形で保証人の責任が加重されるのは不当です。そこで、旧法の下においても、主債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたとしても、保証債務には影響が及ばず、保証債務が加重されることはないと一般的に解釈されていました。それを明文化したのが第2項です。