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第169条(判決で確定した権利の消滅時効)
【改正法】 (判決で確定した権利の消滅時効) 第169条 確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年とする。 2 前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。 |
【旧法】 (判決で確定した権利の消滅時効) 第174条の2 確定判決によって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年とする。裁判上の和解、調停その他確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利についても、同様とする。 2 同上 |
※上記赤字の部分が改正部分です。
【解説】
本条の「判決で確定した権利の消滅時効」というのは、旧法第174条の2から移動してきた条文で、改正法では、第174条の2という条文番号は、枝番が付いた条文ですので、条文番号そのものがなくなっています。
内容的には、そのまま変わっていません。第2項は全く変わっていませんが、第1項も2文になっていたものが、1文になり、「確定判決又は確定判決と同一の効力を有するもの」という表現に変えて、まとめて規定されているだけで、内容はそのまま維持されています。
ところで、今回の改正で職業別の短期消滅時効の規定が削除されましたが、第166条1項で、債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時(主観的起算点)から5年、権利を行使することができる時(客観的起算点)から10年で時効消滅するとされ、主観的起算点の場合は、5年で時効消滅するというふうに改正されました。
したがって、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、債権者が権利を行使することができることを知った時からであれ、権利を行使することができる時からであれ、10年で時効消滅することになります。