下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成13年 問17

【問 17】 都市計画法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 用途地域に関する都市計画には、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合を定めることとされている。

2 第一種低層住居専用地域に関する都市計画には、建築物の高さの限度を定めることとされている。

3 第二種中高層住居専用地域に関する都市計画には、建築物の高さの最高限度及び最低限度を定めることとされている。

4 特定街区に関する都市計画には、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定めることとされている。

【解答及び解説】

【問 17】 正解 3

1 正しい。用途地域に関する都市計画には、建築物の容積率(延べ面積の敷地面積に対する割合)を定めるものとされている。

【じっくり解説】

この問題は、用途地域に関する都市計画に必ず「容積率」を定める必要があるのか?というのが趣旨ですが、この部分については、容積率だけでなく、「建蔽率」と比較をした方がより理解が進みますので、それも併せて解説します。そして、「容積率」と「建蔽率」で微妙に違いがあるので、しっかり理解して下さいということです。

まず、大雑把に把握すると、用途地域に関する都市計画には、基本的に「容積率」や「建蔽率」を定める必要があります。これはどういうことかというと、たとえば、ある地域に第一種低層住居専用地域という用途地域を定める場合には、その第一種低層住居専用地域の容積率と建蔽率も都市計画で同時に定める必要があるということです。つまり、同じ第一種低層住居専用地域であっても、ある地域では、容積率は10分の5で、別の第一種低層住居専用地域では10分の6というふうに異なるということです。

しかし、これには一つだけ例外があります。それは、商業地域の「建蔽率」で、建築基準法によって8/10と一本に決まっています。つまり、商業地域であれば、全国どの商業地域であっても、建蔽率は8/10です。言い換えると、商業地域の建蔽率は都市計画で決まるのではなく、建築基準法という法律で決まっています。

これに対して、容積率は、すべて都市計画で定められます。

以上まとめると、
容積率は、すべて都市計画で定まるが、
建蔽率は、すべて都市計画で定まるとは限らないということです。

以上を前提に本日の問題を見ると、「○」となります。

なお、この問題に関連して、宅建ではありませんが、マンション管理士(平成17年マンション管理士 問24)に大変良い問題がありますので、参考にして下さい。

*都市計画法8条3項2号イ

2 正しい。第一種低層住居専用地域に関する都市計画には、建築物の高さの限度(10m又は12m)を定めることとされている。
*都市計画法8条3項2号ロ

3 誤り。第二種中高層住居専用地域に関する都市計画に、建築物の高さの最高限度及び最低限度を定めなければならない旨の規定はない。
*都市計画法8条3項2号ハ

4 正しい。特定街区は、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定める街区とされている。
*都市計画法9条19号


【解法のポイント】典型的な都市計画の内容の問題です。どの都市計画に、どのような内容を定めるかは頻出事項で、絶対にはずせない項目です。