「遡及効」とは


【解説】

この遡及効については、刑罰法規については、法律不遡及の原則というのがありますが、ここでは民法に限定して説明します。

「遡及」というのは、「さかのぼって」という意味です。したがって、遡及効というのは、一般的には、過去にさかのぼって効力が生ずることをいいます。遡及効が生じる趣旨は、様々です。

遡及効が生じるもので、民法で遡及効が認められているものをまとめておきましょう。

1.取消しの効果(民法121条)

取り消された行為は、初めから無効であったものとみなされます。

2.無権代理行為の追認(民法116条)

無権代理行為の追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生じます。

3.時効の効力(民法144条)

時効の効力は、時効が完成した時ではなく、その起算日にさかのぼります。

4.相殺の効力(民法506条2項)

相殺の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生じます。

5.解除の効果(545条1項)

当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負うとされていますので、遡及効があります。
※解除の遡及効については、「解除」の項を参照



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