「原始取得」「承継取得」「一般承継」「特定承継」


【解説】

1.承継取得とは

権利を取得する方法として、この「原始取得」と「承継取得」という分類があります。

「承継取得」の方が理解はしやすいと思います。
「承継取得」というのは、人から財産などを譲り受けることをいいます。文字通り人から財産を「承継」して取得するわけです。
売買・贈与などが典型です。

このように「承継取得」というのは、前主の権利を「承継」するわけですから、承継人(譲受人)は前主のもとに付着していた権利も取得することになります。
たとえば、Aが不動産を所有していて、その不動産に抵当権が設定されていたとします。この不動産を売買により譲り受けたBは、抵当権付きの不動産を取得することになるわけです。

2.原始取得とは

これに対して原始取得というのは、権利を人から譲り受けるのではなく、いきなり自分のものになる場合です。
原始取得で一番分かりやすいのが、建築物の建築でしょう。これは、まさしく自分で建築物を建築し、いきなり自分のものになります。
それだけではなく、「時効」というのも原始取得とされます。

この原始取得というのは、いきなり自分のものになる場合ですから、前主のもとで付着していた権利などとは関係なく新たに権利を取得することになります。つまり、更(さら)の権利を取得するわけです。
このことは、民法の規定の中にも示されており、たとえば民法289条(承役地の時効取得による地役権の消滅)では、「承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、地役権は、これによって消滅する。」と規定されています。つまり、承役地を時効取得した者は、地役権の負担のない更の土地を取得することができるわけです。このような場合を原始取得といいます。

ただ、原始取得でも、時効の場合は、建築などと異なって、前主というのがいて、それを時効取得するわけですから、場合によっては承継取得的な扱いがなされる場合がありますが(たとえば、時効完成後の第三者と時効取得者の関係が二重「譲渡」類似の関係とされる)、まずこの基本を押さえておいて下さい。

3.承継取得の種類(一般承継とは、特定承継とは)

最初に説明した承継取得は、さらに一般承継(包括承継)と特定承継に分けられます。
ややこしいので、最初に分類の表を載せておきましょう。

「原始取得」「承継取得」「一般承継」「特定承継」の関係

承継取得というのは、前者の権利をそのまま承継するというものでしたが、この「承継」の仕方に2種類あるということです。

まず、一般承継です。これは包括承継と表現されることもありますが、内容的には「包括」承継という方が理解しやすいかな?と思います。
一般(包括)承継というのは、前主のすべての財産を包括的に譲り受ける場合です。つまり、前主の有していた一切の権利・義務を承継する場合です。
これは、個人の場合でいうと相続というのが典型例です。法人の場合ですと、合併がこの一般承継に該当します。

これに対して特定承継というのは、特定の財産のみ譲り受ける場合です。
典型例は、売買・贈与です。Aの所有している財産の中から、たとえば甲土地というような一部のみを譲り受けています。

簡単にまとめますと、一般承継は財産などをまとめて譲り受けますが、特定承継は特定の財産だけ譲り受けます。

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