専用使用権
【解説】
専用使用権というのは、標準管理規約に定義があり、標準管理規約(単棟型)2条8号に「敷地及び共用部分等の一部について、特定の区分所有者が排他的に使用できる権利をいう。」と規定されています。また、同条9号には「専用使用部分とは、専用使用権の対象となっている敷地及び共用部分等の部分をいう。」という規定もあります。つまり、共用部分等でありながら、特定の区分所有者だけが排他的に使える部分に関する権利が専用使用権です。
具体例としては、駐車場、バルコニー、専用庭などが挙げられます。なお、専用使用権のうち、バルコニーのように全住戸に標準的に付帯しているものであれば使用料を徴収しないのが一般的ですが、駐車場や専用庭などのように特定の限られた区分所有者のみが利用するものであれば、使用料を支払うとされているのが一般的です。
また、区分所有法以外の規定として、宅建業法における重要事項の説明があります。宅建業法施行規則16条の2第4号は、「当該一棟の建物又はその敷地の一部を特定の者にのみ使用を許す旨の規約(これに類するものを含む。)の定め(その案を含む。)があるときは、その内容」を重要事項説明の対象としており、これが専用使用権を指していることは明白です。
では、区分所有法上、専用使用権はどのように規定されているのでしょうか。実は、区分所有法には直接の規定がなく、その法的根拠については必ずしも一律に明記されているわけではありません。しかし、区分所有法30条1項は「建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は『使用』に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。」と定めているため、規約を設定することで専用使用権を設けることは法的にも問題ないと解されています。判例も、駐車場専用使用権などについて、運用の課題は指摘しつつも、その権利の存在自体は認めています。
以上のことから、実務や標準管理規約においても専用使用権の規定が当然のように置かれていると考えられます。
なお、専用使用権が設定されているからといって、全く自由に専用使用部分を使用できるわけではありません。規約や設定時の合意によって定められた使用目的に基づく制約を受けるのは当然です。たとえば、バルコニーは非常時における避難経路となるため、避難の妨げとなるような大きな物品を設置することなどは認められません。