都市計画法34条(開発許可の基準)
【解説】
1.開発許可基準~特別基準
次に、34条の特別基準に移りましょう。
この34条の特別基準は、市街化調整区域だけに適用されます。
ただ、「市街化調整区域に係る開発行為(主として第二種特定工作物の建設の用に供する目的で行う開発行為を除く。)」という文言から分かりますように、市街化調整区域の開発行為でも、第二種特定工作物の建設に係るものを除きますので、第二種特定工作物については、第33条の一般的基準のみで開発許可を受けることができます。
なお、この34条の特別基準については、これらのいずれかに該当する場合しか許可を受けることはできません。33条の一般的基準は規模や用途等により不要となる場合もありますが、基本的にはすべて満たさないといけません。権利者の相当数の同意も、排水施設もその他もすべて必要ということですね。
これに対し、特別基準はいずれかに該当する場合にしか許可を受けることができないという仕組みになっています。つまり、特別基準というのは、限定された建物のためにしか開発許可を受けられないようになっています。
2.日常生活のため必要な物品販売を営む店舗等(第1号)
これは分かりやすいと思います。市街化調整区域といえども人は住んでいます。したがって、「日常生活に必要な物品販売店舗」くらいは建ててよく、そのための開発行為も認めるという意味です。
3.農産物等の加工に必要な建築物等の用に供する目的で行う開発行為(第4号)
これは、市街化調整区域ですから、農林漁業等を行っているので、農作物等の加工等に必要な建築物は認めましょうという趣旨です。
なお、市街化調整区域において農林漁業用の建築物については、開発許可自体が不要となっていますが、本号は、
① 農業、林業若しくは漁業の用に供する建築物で第29条第1項第2号の政令で定める建築物以外
② 農産物、林産物若しくは水産物の処理、貯蔵若しくは加工に必要な建築物
ということで、①で29条1項2号の農林漁業用の建築物は除外されていますし、②は畜舎、サイロなどの農林漁業を営むための施設ではなく、農産物の「加工」等の施設となっていますので、そこが違います。
4.市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認める開発行為(第14号)
これは、分かりやすいでしょう。市街化区域内で行うことが困難な場合は、市街化調整区域で行わないと仕方がないということですね。
本号に関しては、開発許可をするにあたって「開発審査会の議」が必要というのも確認しておいて下さい。これは都道府県知事が開発許可をする「前」に開発審査会の議が必要という意味で、開発許可の「後」に開発審査会の議を経るわけではありません。