建替え円滑化法75条(補償金)

第75条 施行者は、次に掲げる者に対し、その補償として、権利変換期日までに、第62条の規定により算定した相当の価額に同条に規定する30日の期間を経過した日から第68条第1項の規定による権利変換計画又はその変更に係る公告(以下この条において「権利変換計画公告」という。)の日までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額に、当該権利変換計画公告の日から補償金を支払う日までの期間につき権利変換計画で定めるところによる利息を付したものを支払わなければならない。この場合において、その修正率は、国土交通省令で定める方法によって算定するものとする。

一 施行マンションに関する権利又はその敷地利用権を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、かつ、当該権利に対応して、施行再建マンションに関する権利又はその敷地利用権を与えられないもの

二 隣接施行敷地の所有権又は借地権を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、又は当該権利の上に敷地利用権が設定されることとなるもの

【解説】

本条は、補償金の支払額の算出方法、補償金の支払を受けることができる者について規定している。

補償金の支払いを受けることができる者は、下記の者です。

①施行マンションに関する権利又はその敷地利用権を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、かつ、当該権利に対応して、施行再建マンションに関する権利又はその敷地利用権を与えられないもの(第1号)

具体的には、まず、施行マンションの区分所有者で権利変換を希望せず、自己の有する区分所有権又は敷地利用権に代えて金銭の給付を希望する旨を申し出た者です(第56条1項)。

他に、施行マンションについて借家権を有する者(その者が更に借家権を設定しているときは、その借家権の設定を受けた者)で、借家権の取得を希望しない旨を申し出た者も含まれます(第56条3項)。

②隣接施行敷地の所有権又は借地権を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、又は当該権利の上に敷地利用権が設定されることとなるもの(第2号)

具体的には、隣接施行敷地の所有権を有する者で、権利変換によりその所有権を失う者や、その所有権の上に施行再建マンションの敷地利用権を設定されることになる者が該当します(第70条1項)。

他に、隣接施行敷地の借地権を有する者で、権利変換によりその借地権を失う者や、その借地権の上に施行再建マンションの敷地利用権が設定されることになる者も含まれます(第70条2項)。