建替え円滑化法71条(施行マンションに関する権利の変換)

第71条 権利変換期日において、施行マンションは、施行者に帰属し、施行マンションを目的とする区分所有権以外の権利は、この法律に別段の定めがあるものを除き、消滅する。

2 施行再建マンションの区分所有権は、第81条の建築工事の完了の公告の日に、権利変換計画の定めるところに従い、新たに施行再建マンションの区分所有権を与えられるべき者が取得する。

3 施行マンションについて借家権を有していた者(その者が更に借家権を設定していたときは、その借家権の設定を受けた者)は、第81条の建築工事の完了の公告の日に、権利変換計画の定めるところに従い、施行再建マンションの部分について借家権を取得する。

【解説】

1.施行マンション

前条の第70条は「敷地」に関する権利変換についての規定でしたが、本条は「施行マンション」についての権利変換に関する規定です。

建替事業では、施行マンションを取壊した上で、施行再建マンションを建築しますが、権利変換期日に、施行マンションを一旦施行者に帰属させ、施行マンションを目的とする区分所有権以外の権利は、この法律に別段の定めがあるものを除き、消滅するとすることによって、施行マンションを取り壊せるようにしています(第1項)。

なお、施行マンションに関する借家権(第3項)及び担保権等(第73条)は施行再建マンションの上に移行させる必要があるので、消滅しません。

2.施行再建マンションの区分所有権(第2項)

施行再建マンションの区分所有権は、権利変換期日の時点では、まだ施行再建マンションは建築されていないので、施行再建マンションの建築工事の完了の公告(第81条)の日に、新たに施行再建マンションの区分所有権を与えられるべき者が取得することになります(第2項)。

3.借家権(第3項)

施行マンションについて借家権を有していた者も、権利変換期日の時点では、まだ施行再建マンションは建築されていないので、施行再建マンションの建築工事の完了の公告(第81条)の日に、施行再建マンションの部分について借家権を取得します。

建替え円滑化法71条(施行マンションに関する権利の変換)