建替え円滑化法30条(特別の議決)

第30条 第27条第1号及び第2号に掲げる事項のうち政令で定める重要な事項並びに同条第8号及び第9号に掲げる事項は、組合員の議決権及び持分割合(組合の専有部分が存しないものとして算定した施行マンションについての区分所有法第14条に定める割合(一括建替え合意者のみにより設立された組合にあっては、組合の持分が存しないものとして算定した施行マンションの敷地(これに関する権利を含む。)の持分の割合)をいう。第3項において同じ。)の各4分の3以上で決する。

2 権利変換期日以後における前項の規定の適用については、同項中「組合の」とあるのは「組合及び参加組合員の」と、「施行マンション」とあるのは「施行再建マンション」とする。

3 第27条第7号に掲げる事項は、組合員の議決権及び持分割合の各5分の4以上で決する。

【解説】

本条は総会の特別決議事項について定めているが、具体的には下記の通りです。

議決要件 議決事項
4分の3 ①定款の変更のうち
 ・施行マンションの変更
 ・参加組合員に関する事項の変更
 ・事業に要する経費の分担に関する事項の変更
 ・総代会の新設又は廃止
②事業計画の変更のうち、施行再建マンションの敷地の区域の変更
③施行者による管理規約
④組合の解散
5分の4 権利変換計画及びその変更

なお、これらの特別決議事項(4分の3及び5分の4)は、組合員の「議決権」及び「持分割合」によって議決しますが、「議決権」は、定款に特別の定めがある場合を除き、組合員は各一個、つまり人数によって決まります(第33条1項)。そして、「持分割合」は、組合の専有部分が存しないものとして算定した施行マンションについての区分所有法第14条に定める割合としている。これは、組合の専有部分を除外することによって、組合員相互の実質的な持分割合で考えようという趣旨です。

ただし、一括建替え合意者のみにより設立された組合にあっては、組合の持分が存しないものとして算定した施行マンションの「敷地」の持分の割合とされています。これは、一括建替え決議における議決権は「土地」の持分の割合によるとされている(区分所有法70条2項)ことと整合性を持たせるためです。