建替え円滑化法11条(事業計画の縦覧及び意見書の処理)

第11条 第9条第1項の規定による認可の申請があった場合において、施行マンションとなるべきマンションの敷地(これに隣接する土地を合わせて施行再建マンションの敷地とする場合における当該土地(以下「隣接施行敷地」という。)を含む。)の所在地が市の区域内にあるときは、当該市の長は当該事業計画を2週間公衆の縦覧に供し、当該マンションの敷地の所在地が町村の区域内にあるときは、都道府県知事は当該町村の長に当該事業計画を2週間公衆の縦覧に供させなければならない。ただし、当該申請に関し明らかに次条各号のいずれかに該当しない事実があり、認可すべきでないと認めるときは、この限りでない。

2 施行マンションとなるべきマンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)について権利を有する者は、前項の規定により縦覧に供された事業計画について意見があるときは、縦覧期間満了の日の翌日から起算して2週間を経過する日までに、都道府県知事等に意見書を提出することができる。

3 都道府県知事等は、前項の規定により意見書の提出があったときは、その内容を審査し、その意見書に係る意見を採択すべきであると認めるときは事業計画に必要な修正を加えるべきことを命じ、その意見書に係る意見を採択すべきでないと認めるときはその旨を意見書を提出した者に通知しなければならない。

4 前項の規定による意見書の内容の審査については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第2章第3節(第29条、第30条、第32条第2項、第38条、第40条、第41条第3項及び第42条を除く。)の規定を準用する。この場合において、同法第28条中「審理員」とあるのは「都道府県知事等(マンションの建替え等の円滑化に関する法律第9条第1項に規定する都道府県知事等をいう。以下同じ。)」と、同法第31条、第32条第3項、第33条から第37条まで、第39条並びに第41条第1項及び第2項中「審理員」とあるのは「都道府県知事等」と読み替えるものとする。

5 第9条第1項の規定による認可を申請した者が、第3項の規定により事業計画に修正を加え、その旨を都道府県知事等に申告したときは、その修正に係る部分について、更にこの条に規定する手続を行うべきものとする。

【解説】

建替組合は、定款及び事業計画を定め、都道府県知事等の認可を受ける必要がありますが、本条は、その事業計画の公衆への縦覧及び意見書の処理に関する手続の規定です。

その手続の流れは、下記です。

認可の申請(第9条1項)

  ↓

都道府県知事等は事業計画を2週間公衆の縦覧(本条1項)

  ↓

関係権利者は、縦覧期間満了の日の翌日から2週間を経過する日までに都道府県知事等に意見書を提出(2項)

  ↓

都道府県知事等は、
意見を採択:事業計画に必要な修正を加えるべきことを命じる
意見を不採択:その旨を意見書を提出した者に通知(3項)

  ↓

認可の申請者が、上記の修正を都道府県知事等に申告→修正部分について、更に同様の手続(5項)

この中で、事業計画に意見書を提出することができる「施行マンションとなるべきマンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)について権利を有する者」(関係権利者)(第2項)というのが出てきますが、この権利は所有権、賃借権、担保権などに限らず、どのような権利でもよいとされます。