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宅建業法77条(信託会社等に関する特例)
【解説】
宅地建物取引業を行うには、宅地建物取引業の免許が必要となりますが、例外的に宅地建物取引業の免許がなくても、宅地建物取引業を行うことができる者があります。
その一つが信託会社等であり、本条はそれを規定しています。
信託会社等は、宅地建物取引業を営もうとするときに、国土交通大臣に届け出れば、宅地建物取引業の免許がなくても、宅地建物取引業を行うことができます。
もともと信託の引受をする財産の中には不動産というのも含まれており、信託のやり方としては、単なる不動産の管理だけではなく、売却等の不動産の処分を目的とする信託も行うことができます。
したがって、信託会社等が不動産等の売却等を行えば、形式的には宅地建物取引業を行っていることになります。
しかし、もともと信託会社等というのは、これらの行為を行うことを予定して信託業の免許を与えられているわけですから、別途宅地建物取引業の免許は不要だということです。
ただ、これについては、もう少し細かく見ていく必要があって、宅地建物取引業法の規定のうち、「免許に関する規定」の適用がありません。
裏を返していえば、「免許に関する規定」以外の規定は適用されます。
したがって、重要事項の説明等はしないといけません。
また、免許に関する規定は適用がないので、免許取消処分を受けることはありませんが、指示処分や業務停止処分は受ける可能性があります。