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宅建業法49条(帳簿の備付け)
【解説】
1.帳簿の備付け
「帳簿」という言葉で分かると思いますが、取引の記録です。これも、宅地建物取引業者に備え付けの義務が課されています。
ここもポイントは、「事務所ごと」です。案内所に帳簿は不要です。
この「事務所ごと」というのは、今まで何回か出てきていますが、以下の3つです。
- 報酬額の掲示
- 従業者名簿
- 帳簿
2.記載時期
そして、帳簿の記載は、「取引のあったつど」というのも覚えておいて下さい。
月末にまとめて記載したり、事業年度の最後にまとめて記載したりするのはダメです。
3.記載事項
この記載事項は、宅地建物取引業法49条には「その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積」というのが挙げられていますが、その他にも施行規則18条1項に詳細な規定があります。
4.保存期間
最後に、この帳簿も保存期間が定められています。帳簿は、「各事業年度の末日をもって閉鎖」するものとし、「閉鎖」後「5年間」(宅地建物取引業者が自ら売主となる新築住宅に係るものは10年間)当該帳簿を保存しなければならない。これも「閉鎖後5年」というのをしっかり覚えて下さい。
また、「宅地建物取引業者が自ら売主となる新築住宅に係るものは10年間」というのがありますが、これは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」や「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」との関係で問題になるからだと思われます。これらの法律では、「宅地建物取引業者が自ら売主となる新築住宅に係る瑕疵担保責任」は一定の部位については10年間の責任期間が定められています。
5.閲覧
なお、この帳簿については、従業者名簿と異なり、取引の関係者の閲覧に供しなければならないという規定はありませんので確認しておいて下さい。