宅建業法9条(変更の届出)
【解説】
1.宅地建物取引業者名簿の変更の届出
宅地建物取引業者名簿というのは、免許権者が宅地建物取引業者を監督したり、あるいは宅地建物取引業者と取引しようとする人が閲覧して宅地建物取引業者の内容を知るために使われます。
ということは、宅地建物取引業者名簿の記載事項に変更があったにもかかわらず、そのまま放置しておくと、その意味が失われます。
そこで、宅地建物取引業者名簿の内容に変更があった場合は、「変更の届出」というのが必要になります。
試験等では、この関係で先ほどの記載事項が問われることが多くなるということは前条で説明しました。
この変更の届出は、「宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者名簿の記載事項(前条第2項第2号から第6号まで)について変更があった場合においては、30日以内に、その旨をその免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。」というものです。
「30日以内」という点がポイントです。
宅地建物取引業法の規定で一定の行為をしないといけない場合に、「遅滞なく」とか「速やかに」などと具体的な期日を決めていない場合と、この宅地建物取引業者名簿の変更の届出のように具体的に期日を決めている場合があります。
そのへんは試験などでは問われます。たとえば、この宅地建物取引業者名簿の変更の届出で、「遅滞なく」届け出ないといけない、と出題されたら「誤り」になります。
なお、この変更の届出を国土交通大臣に対して行う場合は、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して届け出ます(第78条の3)。
また、国土交通大臣または都道府県知事は、業者の免許が効力を失い、または取り消されたときは、名簿について、その業者に係る部分を消除しなければいけません。
この場合に、国土交通大臣が宅地建物取引業者名簿を消除したときは、遅滞なく、その旨を、その消除に係る宅地建物取引業者であった者の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事に通知するものとされています。(施行規則6条2項)