※この記事は一般的な条文解説で、宅建等の資格試験の範囲を超えた内容も含みます。当サイトの記事が読みやすいと感じた方は、当サイトと資格試験向け教材の関係をご覧下さい。
民法960条(遺言の方式)
【解説】
1.遺言とは
遺言というのは、普通は「ゆいごん」と読むと思いますが、法律家は、なぜか「いごん」と読みますね。
この遺言というのは、説明するまでもないでしょう。
民法では法定相続分といって、配偶者は1/2とか、子供は1/2とか、相続分が決まっていましたが、あれは被相続人が特に遺言を残さずに死亡した場合です。
被相続人が法定相続分とは異なる定めをしたかったら、遺言というのをすればいいわけです。
この遺言というのは、自分の死後の財産の処分について、その者の「最終の意思」を示すものです。
「最終」というのは、死亡の時期に一番近い時期という意味です。したがって、遺言というのは撤回することもできます。
2.要式行為
この条文は、遺言というのは「この法律に定める方式」に従わなければならないとしています。つまり、遺言が要式行為であることを定めた条文です。
要式行為というのは、その行為の効力が生じるには一定の「要式」が必要とされるもので、簡単に言えば一定の形式を備えた書面が必要な行為のことです。
遺言の場合も、遺言の書き方というのは厳格に法律で決まっているわけです。