※この記事は一般的な条文解説で、宅建等の資格試験の範囲を超えた内容も含みます。当サイトの記事が読みやすいと感じた方は、当サイトと資格試験向け教材の関係をご覧下さい。

民法919条(相続の承認及び放棄の撤回及び取消し)

【解説】

相続の承認や放棄は、考慮期間内でも、これを撤回することができません。

これは当然のことだと思います。たとえば、一度相続放棄をするという意思表示をした者が、それを撤回して限定承認をしたりすると、相続債権者や他の共同相続人、次順位の相続人などに迷惑や損害を与えることになるからです。

ただ、詐欺や強迫によって承認や放棄をしてしまった場合に、これを撤回できないとしたのではかわいそうですので、そのときは、その旨を家庭裁判所に申述すれば、撤回することができます。

この詐欺等による撤回は、「家庭裁判所」に申述が必要というのは確認しておいて下さい。