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民法737条(未成年者の婚姻についての父母の同意)
【解説】
民法は、一方で20歳を成年としつつ、他方で婚姻適齢を男は18歳に、女は16歳としているので(731条)、婚姻適齢に達している未成年者の婚姻について問題が生じます。
そこで、本条が配偶者の選択についての判断能力を補う意味で、未成年者の婚姻については、基本的に父母の同意を要件としているのが第1項です。
この「父母の同意」は、結婚の届出が受理されるための要件であって、結婚成立の要件ではないとされ、父母の同意がなければ、結婚の届出は受理されませんが(740条)、誤って届出が受理されてしまえば結婚は有効に成立し、取消原因とはならないとされています(最判昭30.4.5)。
このように、未成年者の婚姻には、基本的には「父母」双方の同意が必要ですが、常に父母の双方の同意が必要だとすれば、未成年者の婚姻の機会を狭めてしまうということで、父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足りるとされています(第2項)。