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民法619条(賃貸借の更新の推定等)

【解説】

民法上の賃貸借で期間の定めがある場合は、借地借家法の場合と異なり、期間が満了すれば基本的に賃貸借は終了します。借地借家法のような「法定更新」の制度がないわけです。

ただ、ここは勘違いしやすいんですが、使用継続による更新はあります。

それを規定したのが本条です。つまり、期間が過ぎているのに、賃借人が出ていかず、賃貸人もそれに異議を述べないときには、更新されるということです。これは民法にも規定があるということは頭に入れておいて下さい。

この更新後の賃貸借は、「従前の賃貸借と同一の条件」ということになりますが、ただ、期間だけは「期間の定めのない賃貸借」になります。

また、この民法の規定では、この賃借人の使用継続に対して異議を述べる際に、借地借家法と異なり、「正当事由」は必要とされません。これは気を付けて下さい。