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民法617条(期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ)

【解説】

1.賃貸借の終了

賃貸借の終了については、賃貸借を「期間の定めのあるもの」と「期間の定めのないもの」に分けて考える必要があります。これは、借地借家法も含めて、一つのポイントになります。

本条は、そのうちの「期間の定めのない賃貸借」の場合の規定です。

2.期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ

期間の定めのない賃貸借は、放っておけばいつまでも続きます。

そこで、当事者のどちらかが「止める」と言ったときに終了します。このことを「解約申入れ」といいます。この「解約申入れ」という言葉は、「期間の定めのない」賃貸借について使われる言葉です。これは間違えないようにしておいて下さい。

ただ、賃貸借を止めるといってすぐ賃借人に出て行けというのは酷です。

そこで、この解約申入れがあった場合は、土地の賃貸借については1年後、建物の賃貸借については3ヶ月後、動産等の賃貸借については1日後に終了することになります。

この中で特に重要なのは、建物の「3ヶ月」です。これは借地借家法で変更がなされていますが、この民法の原則も重要です。