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民法570条(売主の瑕疵担保責任)

【解説】

1.瑕疵担保責任

瑕疵というのは、「キズ」とか「欠陥」という意味です。典型的には、家を売却したが、その家がシロアリに食われていたというような事例です。家がシロアリに食われているという瑕疵(キズ)があるわけです。

この場合に、買主が売主に対して追及しているのが瑕疵担保責任です。

2.隠れた瑕疵

この瑕疵担保責任にいう瑕疵は、「隠れた瑕疵」でないといけません。「隠れた瑕疵」というのは、契約のときに通常の注意では発見できないような瑕疵、という意味です。ここで「注意」という言葉が出てきましたが、「過失」ということです。つまり、瑕疵担保責任を追及するには、買主は善意無過失でないといけないということです。担保責任で過失が問題にされるのはここだけです。

3.瑕疵

次に、ここの瑕疵というのは、物理的な瑕疵は当然含みます。物理的というのは、「物」そのものの瑕疵ということで、先ほどのシロアリの例がそうです。

ところが、瑕疵担保責任を追及するには、そのような瑕疵だけには限定されません。法律的な瑕疵も含みます。

判例で現れたものでいいますと、土地の売買契約で、買主は住宅を建てる目的で土地を買うということを売主に伝えて土地を買いました。ところが、この土地は、都市計画法上の道路の計画があるということで、実際には家の建たない土地であることが判明したという事例です。

この土地は、家を建てるには物理的には何の問題もありません。しかし、都市計画法という法律によって家の建たない土地である、ということです。買主にとってみれば、物理的にであろうが、法律的にであろうが、家が建たないことには変わりがありません。しかし、売買契約のときに、建物建築目的であることは売主も了解しているはずです。これが「瑕疵」になるということは、理解できるでしょう。

4.担保責任の追及

後は、買主からの担保責任の追及ですが、これは覚えやすいです。原則どおり、買主が善意無過失(「無過失」が入るというのは、説明しましたね。)であれば、解除も損害賠償も請求できますが、買主が悪意であれば、解除も損害賠償も請求できません。

少し注意していただくとすると、解除権については、瑕疵のために契約をした目的を達することができないときにのみ認められているという点です。解除というのは、契約の効果を丸ごとひっくり返してしまいますので、ささいな瑕疵のために、契約全体を解除することはできないということです。