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民法482条(代物弁済)

【解説】

この代物弁済は、本来は金銭で弁済すべきところを不動産という「代」わりの「物」で弁済する、というような場合です。

この代わりの物というのは、必ずしも元の給付と同じ価格のものである必要はありません。すぐ後で説明しますが、代物弁済には債権者の承諾が必要だからです。

また、元の給付に代えて債権を譲渡するということもできますし、その債権も弁済期が到来している必要はありません。

ただ、この代物弁済というのは、この項のタイトルが示す通り、正確には代物弁済「契約」で、通常の弁済とは異なります。要するに、代わりの物で弁済するという「契約」なんですね。

したがって、債権者との合意が必要になります。これは当然だと思います。本来の給付に代えて、別の物で給付するわけですから、債権者の意向を無視するわけにはいきません。

代わりの物で弁済したが、その代物に瑕疵があった場合は、弁済者は瑕疵担保責任を負います。

本条をよく見ると、「他の給付をしたときには、弁済の効力が生じる」としています。ということは代物弁済の効力が生じるには、現実に「給付」をしないといけません。つまり、要物契約です。

この「給付」というのは、たとえば不動産で弁済するという場合、登記のような対抗要件まで必要だというのが判例です。