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民法437条(連帯債務者の一人に対する免除)
【解説】
免除は「負担部分」についてのみ絶対効があります。
AがBに対して、債務を免除したとします。Bの債務は消滅しますので、BはAに対して1円も支払う必要はなくなります。
それに合わせてCもDも支払う必要がなくなるかというとそうではありません。
Aは、Bという人に対してだけ債務を免除しているわけです。CとDに対して免除するとは一言も言っていないわけですよね。それで、CもDも全額免除されるというのはおかしい。
だからと言って、AがBを免除することによって、CとDが二人で1,500万円の連帯債務を負うとすれば、債権者の請求に応じて全額を支払ったC又はDが、500万円についてBに対して求償できることになってしまいます。
そうすると、求償に応じたBは、さらにAに対して、この500万円分を不当利得の返還請求をして取り戻さなければいけません(「転償」、あるいは「求償の循環」といいます)。
これはややこしいので、当事者間の法律関係を簡易に決済するために、負担部分についてだけ絶対効を認めたとされます。