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民法378条(代価弁済)
【解説】
この代価弁済は、第三取得者保護の制度です。
第三取得者というのは、抵当権のついた不動産を購入した者です。上図のCが第三取得者です。
Bは債務者かつ抵当権設定者です。この第三取得者は、債務者BがAに債務を弁済しなければ、Cが現在所有している不動産に対して、抵当権者Aが競売をかけてきます。もちろん、競売にかけるには、BからCへの所有権移転登記より、Aの抵当権の登記が先になされていることが前提です。
競売にかけられてしまえば、Cとしては不動産の所有権を失います。こういうときに、第三取得者が、競売にかけられる前に行使できる権利として、「代価弁済」と「抵当権消滅請求」があります。
この代価弁済と抵当権消滅請求は、あくまでも「抵当権」を消滅させる制度であるということを覚えておいて下さい。「被担保債権」を消滅させる制度ではありません。
このうち、「代価弁済」というのは、抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、「抵当権者の請求に応じて」その抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。
つまり、代価弁済というのは、抵当権者から請求があった場合の規定です。