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民法357条(不動産質権者による管理の費用等の負担)

【解説】

不動産質権者は、第356条の規定により、質権の目的である不動産の使用収益権を有している。

その反面、本条により不動産の管理の費用その他の不動産に関する負担を負うことになる。

「不動産に関する負担」というのは、具体的には、固定資産税などである。

管理の費用や不動産に関する負担をしなかったため、善管注意義務違反と認められれば、質権設定者は質権の消滅を請求することができる(第350条が準用する第298条)。

この管理の費用や不動産に関する負担というのは、その負担に対する各債権者に対して直接義務を負うことを定めたものと考えられています。

つまり、固定資産税であれば、質権者が直接固定資産税の支払の義務、つまり納税義務者になるわけです。これは、地方税法343条1項に規定があります。

したがって、質権者が固定資産税を納付しないときは、国税徴収法により、その不動産質権は被担保債権とともに競売されることになります。ただ、気を付けて欲しいのは、質権者はあくまで質権を有するにすぎず、質物の所有者は、固定資産税の支払義務者ではないから、目的不動産そのものを競売することはできません。