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民法260条(共有物の分割への参加)

【解説】

共有物の分割は、基本的に当事者が話し合って自由に決めればよいことです。

しかし、共有物について権利を有する者は、共有者がどのような共有物の分割をするかについて利害関係を有する場合があります。

たとえば、共有者の持分について抵当権を有している者は、抵当権を設定している共有者に不利な共有物の分割がなされますと、担保の価値が減少してしまいます。 →持分について抵当権を設定できるのは第250条参照

そこで、共有物について権利を有する者及び各共有者の債権者は、自己の費用で、分割に参加することができます。

これは、あくまで「自己の費用」で、つまり参加者の費用(たとえば、旅費等)で分割に参加できることになります。

そして、共有物の分割協議に参加して意見を述べることができます。

この場合、共有者は参加者の意見には必ずも拘束されません。

なお、共有者は、共有物の分割に際して、特に参加者に通知するというような義務は規定されていないようですが、参加の請求があったにもかかわらず、その請求をした者を参加させないで分割をしたときは、その分割は、その請求をした者に対抗することができません(第2項)。