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民法209条(隣地の使用請求)
【解説】
1.相隣関係
この相隣関係とは何かということですが、言葉である程度分かるかと思いますが、隣り合っている所有者同士の利害の調整の規定です。
お互いに隣り合っている所有者同士が、自分の所有権を隣地の境界いっぱいまでお互いに主張し合っていては、不都合です。そこで、隣り合っている所有者同士の関係を調整しようという規定です。
2.隣地の使用請求
本条は特に説明の必要がないくらい分かりやすい規定だと思います。
もし隣地の使用を請求し、隣人の承諾がない場合には、その承諾に代わる裁判所の判決を得れば、「隣地」つまり「土地」には立ち入ることはできます。
なお、これと区別して欲しいのが、1項但書です。隣人の承諾がなければ「住家」に立ち入ることができないとなっています。これは裁判所の判決を得ても立ち入ることはできません。
この違いは、今の説明で分かる通り、隣の「土地」については裁判所の判決を得れば立ち入ることができるが、隣の「家」に入ることができないという意味です。