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民法193条(盗品又は遺失物の回復)

民法193条(盗品又は遺失物の回復)

第193条 前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から2年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。

【解説】

本条は、「前条の場合」すなわち即時取得の規定の例外を定めたものです。

即時取得の規定は、取引の安全を図ることに役立ちますが、反面、原権利者の権利を奪うことになります。そこで、所有者の意思に基づかないで占有を離れた物について、被害者又は遺失者に、盗難又は遺失の時から2年間、その物の回復を請求することができることを認めました。

この回復請求をするには、次の第194条と異なり、占有者が支払った代価を弁償する必要はありません。