※この記事は一般的な条文解説で、宅建等の資格試験の範囲を超えた内容も含みます。当サイトの記事が読みやすいと感じた方は、当サイトと資格試験向け教材の関係をご覧下さい。
民法185条(占有の性質の変更)
【解説】
本条の「占有の性質の変更」は、取得時効との関係で問題になります。
今、賃借の意思で土地を占有している場合でも、「その占有者が、自己に占有をさせた者に対して所有の意思があることを表示したり」、「新たな権原により更に所有の意思をもって占有を始めれば」、占有の性質が変わって「所有の意思」が認められる場合があります。
「所有の意思を表示した」というのは理解しやすいと思いますが、「新たな権原」というのが分かりにくいと思います。
これは、たとえばある人が賃借人として土地を占有していたが、死亡して、相続人がその土地を相続して自分の所有になったと思ったような場合です。
相続が新権原というわけです。この場合は、相続人は所有の意思が認められて所有権の時効取得が認められる場合があります。