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民法136条(期限の利益及びその放棄)

【解説】

1.期限の利益(第1項)

「期限の利益」というのは、期限を設定することによって利益を受ける者は誰かということです。

たとえば、売買代金の支払いに3月1日という期限を付けたとします。売買代金については、債務者は買主、債権者は売主になります。

この「3月1日」という期限を付けることは、誰の利益になるか、ということです。

通常これは、債務者の利益になると思います。つまり、債務者である買主は、売買代金は支払わないといけないわけですが、今すぐでなくても、3月1日までは待ってもらえる、ということですよね。これは債務者の利益になります。

そこで民法は、「期限は、債務者の利益のために定めたものと推定する。」と規定しています。

2.期限の利益の放棄(第2項)

そして、この期限の利益というのは、放棄することができます。

利益を受けている者が、その利益を放棄して、履行をすることは何らかまわないわけです。

ただ、この期限の利益の放棄は、これによって相手方の利益を害することはできません。

具体例で言うと、AはBにお金を貸したとします。このお金を貸す契約は、金銭消費貸借といいます。Bの借入の返済は、3月1日という期限が設定されていたとします。Bはこの期限の利益を放棄して、2月1日にお金を返してもいいわけです。Aとしても早く資金の回収ができます。

ただ、2月1日に返済されると、Aとしては一つ困る点が出てきます。分かりますか?そう、2月分の利息が取れないことです。そこで、Bは2月1日に返済してもよいが、そのときは相手方の利益を害することはできないので、3月1日までの利息を付けて返済しなければいけません。