民法127条(条件が成就した場合の効果)
【解説】
1.停止条件(第1項)
停止条件は、一定の事実が発生すれば、契約などの効力が発生するというものです。
たとえば、試験に合格すれば、時計をあげる、というような場合です。
現在のままでは、時計はあげられないが、「試験に合格」するという条件が成就すれば、時計の贈与契約の効力が発生するわけです
上図を見て下さい。停止条件というのは、最初は点線で効力がなかったものが、合格という条件が成就されると、効力が生じ実線になっています。
条件が成就するまで、契約の効力が「停止」しているので、停止条件というわけです。
本条の第1項は、このことが規定されているわけですが、気を付けて欲しいことがあります。
停止条件付法律行為が効力を生じるのは、停止条件が成就した時ですが、停止条件付法律行為(たとえば、停止条件付契約)が成立するのは、当事者が合意をした時だ、という点です。
つまり、契約の「成立」の時点と、契約の「効力」が発生する時点というのを頭の中で分けて考えて欲しいということです。
停止条件付の契約も、当事者が合意すれば成立するが、停止条件が成就するまでは、契約の効力の発生が止まっているだけです。
2.解除条件(第2項)
次に、解除条件というのは、一定の事実が発生した場合に、効力がなくなるというものです。
たとえば、学費を毎月支払ってあげるけれども、落第すればもうお金は支払わないというものです。
これは、現在学費としてお金を渡してあげているが、「落第」という条件が成就すれば、お金を渡すという契約の効力がなくなるわけですよね。
上の図を再度見て下さい。解除条件というのは、最初は実線だったものが、落第という条件が成就して、効力が失われて点線になっています。
ちょうど契約が「解除」されたような形になっているので、解除条件というわけです。
これは先ほどの図で、点線と実線のイメージで覚えると覚えやすいと思います。