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民法17条(補助人の同意を要する旨の審判等)

【解説】

被補助人は、「精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者」であり、制限能力者の中では、一番事理を弁識する能力が高い者です。

したがって、通常の重要でない契約等は一人でできますが、やはり「一定の重要な行為」については一人でできません。それでは、その「一定の重要な行為」とは何か?

これは被保佐人が一人でできない行為が、10個ありましたが、そのうちの9つ、つまり「その他家庭裁判所が指定した行為」というのを除いた9つのうち、家庭裁判所が審判で定めた行為のみ一人で行うことができません。つまり、前に説明した被保佐人が一人でできない行為の9つは、被保佐人については無条件に全部できないということになりますが、被補助人は無条件に9つ全部できないということはありません。9つのうち、家庭裁判所が定めたもののみ一人で行うことができないということになります。要するに、被補助人の方が、被保佐人に比べて、一人でできない行為が少ない。つまり被補助人の能力の方が高いということになります。

上図を見てもらえば分かりますが、「日常生活に関する行為」は誰でもできる。ただ、成年被後見人は、それ以外は何も一人でできない。

被保佐人は、ちょっとマシで、通常の契約くらいはできるけれども、9つ(家庭裁判所に指定されれば10個)の行為は一人でできない。

被補助人は、通常の契約も、その他の行為も家庭裁判所に指定されなければ、一人でできるが、9つの行為のうち、1つあるいはいくつかが家庭裁判所から指定され、一人でできない行為が被保佐人ほどではないにせよ、いくつかあることになります。