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民事訴訟法390条(仮執行の宣言前の督促異議)

【解説】

支払督促に対する債務者の督促異議の申立ては、仮執行宣言が付される前になされる場合と、仮執行宣言が付された後になされる場合の2回が保障されています。

本条は、仮執行宣言が付される前の督促異議の申立ての規定ですが、この督促異議の申立てがなされると、通常訴訟へ移行されます(第395条)。

すなわち、支払督促は、その督促異議の限度で効力を失い、支払督促に対して仮執行宣言を付して執行力を生じさせることはできません。

これに対して、仮執行宣言後の督促異議の申立ては、仮執行宣言に基づく執行力を失わせることはできません。この点については、直接規定した条文はありませんが、本条が「仮執行の宣言前」と規定している以上、そのように考えられ、本条の意味があります。