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民事訴訟法376条(仮執行の宣言)

【解説】

もともと、財産権上の請求に関する判決については、裁判所は、「必要があると認めるときは」、申立て又は職権で、仮執行をすることができることを宣言することが「できます」(第259条1項)。つまり、仮執行宣言は裁判所の裁量で行う任意のものであることが原則です。

なお、仮執行宣言というのは、判決確定前に、仮に強制執行をすることができる旨の裁判です。

しかし、原告の権利を迅速に実現する必要性が高い場合には、仮執行宣言をするのが必要的になることがあります。少額訴訟は、簡易・迅速に原告の権利を実現する制度ですので、必要的に仮執行宣言を必要的に行う場合の一つであることを示しているのが本条です。