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被災マンション法7条(区分所有者集会の特例)

【解説】

第2章では、区分所有建物が「全部」滅失した場合の規定でした。
しかし、区分所有建物の「一部」滅失の場合は、建物が残っている以上、管理組合も残っています。
したがって、このような区分所有建物の「一部」滅失については、従来の被災マンション法には規定はなく、区分所有法による復旧・建替えの規定が適用できるだけでした。
しかし、大規模な災害によって建物が甚大な被害を受けた場合には、当該建物を取り壊したいという場合も出てくるでしょう。
もちろん、その後に新しい建物を再建するのであれば、「旧建物の取壊し→新建物の建築」という区分所有法の建替えの規定でまかなえるでしょう。
しかし、建物を取り壊した上で、敷地を売却し、その売却資金で他へ移転したいというような場合には、区分所有法の復旧・建替えの規定ではまかなえず、民法の規定により、建物の取壊しにも、敷地の売却にも、区分所有者全員の同意が必要だということになります。

そこで、本条で「政令の施行の日から起算して1年を経過する日までの間」であれば、区分所有者集会を開くことができるとして、その集会で①建物取壊し決議、②建物取壊し・敷地売却決議、③建物・敷地売却決議の決議が行えるようにしました。
つまり、本条の意味は、本法第3章の「区分所有建物の一部が滅失した場合における措置」については、政令の施行の日から起算して1年を経過する日までの間に限って適用される旨を示しています。
これによって、全部滅失にまでは至らないが、大規模な災害によって建物が甚大な被害を受けた場合に、全員の同意ではなく、多数決によって行える選択肢が増えることになりました。