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住宅品質確保法2条(定義)

【解説】

1.定義

この条文は、よく法律の最初に出てくる「定義」規定が定められています。

一つずつ見て行きましょう。

2.住宅(第1項)

本法において、「住宅」とは、人の居住の用に供する家屋又は家屋の部分(人の居住の用以外の用に供する家屋の部分との共用に供する部分を含む。)とされています。

「人の居住の用に供する家屋」というのは説明の必要はないと思います。「家屋の部分」が含まれているというのは、マンションのようなものをいいます。ただ、複合用途型マンションのような場合は、店舗としてのみ使用する専有部分については、適用がありません。

かっこ書きの「人の居住の用以外の用に供する家屋の部分との共用に供する部分を含む。」となっていますが、これは、非居住用と居住用をつなぐ廊下のようなものも「住宅」に含むということを意味しています。

3.新築住宅(第2項)

「新築住宅」の定義として、「新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの」というのは、当然です。したがって、中古住宅には適用がありません。

注意すべきは、かっこ書きです。「建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものを除く」となっています。したがって、まだ人の居住の用に供したことがなくても、建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものは「新築住宅」とはいえません。これは、不動産の表示に関する公正競争規約18条1項(1)(不動産の広告の規制です。)で「新築…建築後1年未満であって、居住の用に供されたことがないものをいう。」とされていることとの整合性が考慮されたのでしょう。

また、このように人の居住の用に供したことがなくても、建設工事完了から1年を経過したしたものを除いた理由は、人の居住の用にしていなくても、1年も経てば通常よりも部材の劣化が大きく進む等の維持管理上の問題があるからです。