不動産登記令4条(申請情報の作成及び提供)
【解説】
1.一括申請
登記の申請について、本来、申請情報は、登記の目的及び登記原因に応じ、一の不動産ごとに作成して提供しなければならないというのが原則です。
ちなみに、この「申請情報」というのは、従来は「申請書」と言っていましたが、オンライン申請が認められているので、「書」というのは表現として不適当になったので、申請「情報」という表現になっています。オンライン申請が認められて、これだけに限らず従来の書面という表現は基本的になくなっています。
話を先ほどの点に戻しますと、申請情報を一つの不動産ごとに作成するというのは当然で、一つの申請情報に複数の不動産のことが記載されていると混乱します。
しかし、これには例外があって、「ただし、同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるときその他法務省令で定めるときは、この限りでない。」
これは一括申請といわれているものです。「同一の登記所の管轄区域内」「登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一」というのがポイントです。
ここで、「登記の目的」と「登記の原因」というのが分かりにくいと思います。
「登記の目的」というのは、どういう登記をしたいのか、という意味で、具体的には所有権保存登記とか、所有権移転登記、抵当権設定登記などのことです。
次に、「登記の原因」ですが、登記をするにいたった原因のことを言います。たとえば、売買、贈与といったようなことです。
以上、たとえばAからBへ売買契約が締結された場合には、売買契約に基づき所有権移転登記をするということになりますが、この売買契約が「登記の原因」、所有権移転登記が「登記の目的」ということになります。特に「登記原因」という言葉はよく使われますので、覚えておいて下さい。