下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 令和7年 問34

【問 34】 宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

ア A社の政令で定める使用人Bは、刑法第234条(威力業務妨害)の罪により、懲役2年、執行猶予2年の刑に処せられた後、A社を退任し、新たにC社の政令で定める使用人に就任した。Bの執行猶予期間が満了していない場合に、C社が免許を申請しても、免許を受けることができない。

イ D社は、不正の手段により免許を取得したことによる免許の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分がなされるまでの間に、宅地建物取引業法第11条の規定による廃業の届出をした。その廃業に相当の理由がなかった場合、当該公示の日の40日前にD社の取締役を退任したEは、当該届出から5年経過しなければ、免許を申請しても免許を受けることができない。

ウ 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であるFの法定代理人であるGが、刑法第206条(現場助勢)の罪により罰金の刑に処せられていた場合、その刑の執行が終わった日から5年を経過していなくても、Fは免許を申請すれば免許を受けることができる。

エ H社の政令で定める使用人Jは、裁判所へJ自身の破産申し立てを行った後、H社を退任し、裁判所から破産手続の開始決定を受けるまでの間に、新たにK社の政令で定める使用人に就任した。その後、Jが復権を得た場合、その日から5年を経過しなくても、K社が免許を申請すれば、免許を受けることができる。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

【解答及び解説】

【問 34】 正解 3

ア 正しい。法人でその役員又は「政令で定める使用人」のうちに免許の欠格事由のいずれかに該当する者のあるものは免許を受けることができない。Bは執行猶予期間が満了していない以上、C社は免許を受けることができない。
*宅建業法5条1項12号

イ 正しい。不正の手段等により免許を取得したことによる免許の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分がなされるまでの間に廃業等の届出があった法人(廃業について相当の理由がある法人を除く。)の公示の日前「60日」以内に役員であった者で当該届出の日から5年を経過しないものは、免許を受けることができない。したがって、本肢のEは免許を受けることができない。
*宅建業法5条1項4号

ウ 誤り。営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が欠格事由のいずれかに該当する場合は、免許を受けることができない。そして、刑法206条(現場助勢罪)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者は欠格事由に該当するので、Fは免許を受けることができない。
*宅建業法1項11号・6号

エ 正しい。法人の政令で定める使用人が、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者であれば、法人は免許を受けることができないが、復権を得れば、5年を経過していなくても、免許を受けることができる。
*宅建業法5条1項1号

以上より、正しいものは、ア、イ、エの3つであり、正解は肢3である。


【解法のポイント】この問題は、基本的な問題ですが、個数問題なので注意して下さい。