下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
宅建 過去問解説 令和7年 問31
【問 31】 次の記述のうち、宅地建物取引業法により禁止されている行為が含まれているものはいくつあるか。
ア 宅地建物取引士が、マンション販売の勧誘を電話で行うにあたり、まず、契約締結について勧誘する目的である旨を告げたうえで、自分の名前は名乗らず、自身の勤務する宅地建物取引業者の名称及び免許番号を伝えたうえで勧誘を行った。
イ 宅地建物取引業者が、賃貸マンションの媒介で入居申込者から申込みを受け付けたところ、当該マンションのオーナーからの審査回答待ちとなった。その後、入居申込者が、申込みを撤回したい旨電話で伝えたところ、当該宅地建物取引業者の従業員から声を荒げ「撤回をするなら、とりあえず事務所まで来てくれないと困る」と怒鳴られ、面会を強要された。申込者はその言動に不安を覚えたため、事務所に赴いて、申込みの撤回を申し出たところ、申込みの撤回が了承された。
ウ 宅地建物取引業者が、一時的にアルバイトを雇って、マンション販売の広告チラシの配布を行わせることとしたほか、契約書の作成業務も補助的に行わせるため、従業者証明書をその者に発行し、それらの業務を行わせた。ただし、そのアルバイトはマンション販売の広告チラシの配布の際には、従業者証明書を携帯していなかった。
エ マンションの販売の勧誘における説明において、宅地建物取引士は、日当たりのよいマンションの購入希望者に対して、「マンション南側の月極駐車場は出来たばかりであり、将来にわたりそこにマンションなどの高層の建物が建つ予定は全くない」と説明し、購入希望者から購入申込みを受け付けた。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
【解答及び解説】
【解法のポイント】この問題も、基本的なものです。
【問 31】 正解 4
ア 禁止されている行為を含む。宅地建物取引業者等は、勧誘に先立って宅地建物取引業者の商号又は名称及び当該「勧誘を行う者の氏名」並びに当該契約の締結について勧誘をする目的である旨を告げずに、勧誘を行うことは、禁止されている。
*宅建業法施行規則16条の11第1号ハ
イ 禁止されている行為を含む。宅地建物取引業者等は、宅地建物取引業に係る契約を締結させ、又は宅地建物取引業に係る契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、宅地建物取引業者の相手方等を威迫してはならない。本肢では、最終的に申込みの撤回が了承されているが、このような威迫する行為自体が禁止されている。
*宅建業法47条の2第2項
ウ 禁止されている行為を含む。宅地建物取引業者は、国土交通省令の定めるところにより、従業者に、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならない。なお、この従業者の中には、単に一時的に業務に従事する者も含まれる。
*宅建業法48条1項
エ 禁止されている行為を含む。宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、当該契約の目的物である宅地又は建物の将来の環境又は交通その他の利便について誤解させるべき断定的判断を提供することは、禁止されている。
*宅建業法施行規則16条の11第1号イ
以上より、宅建業法により禁止されている行為を含むものは、ア~エの4つすべてであり、肢4が正解である。【解法のポイント】この問題も、基本的なものです。