下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
宅建 過去問解説 令和3年(12月試験) 問50
【問 50】 建物の構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1 組積式構造は、耐震性は劣るものの、熱、音などを遮断する性能が優れている。
2 組積式構造を耐震的な構造にするためには、大きな開口部を造ることを避け、壁厚を大きくする必要がある。
3 補強コンクリートブロック造は、壁式構造の一種であり、コンクリートブロック造を鉄筋コンクリートで耐震的に補強改良したものである。
4 補強コンクリートブロック造は、壁量を多く必要とはせず、住宅等の小規模の建物には使用されていない。
【解答及び解説】
【解法のテクニック】本問は、宅建(それ以外の試験でも)であまり問われていない組積造に関する問題で、困った人が多かったのではないかと思います。ただ、肢2(壁厚を大きくする)と肢4(壁量を多く必要とはせず)は矛盾する内容を含んでいるので、どちらかが正解ではないかという推測がつきます。そして、両者を比較すると肢4がより不適当であることがある程度分かったのではないでしょうか?
【問 50】 正解 4
1 適切。組積式構造は、建材を積み上げて建物を構成するものである。したがって、原則として圧縮力のみが構造耐力となり、水平方向の外力を受けて崩壊する危険もあるので、耐震力は劣る。しかし、熱、音などを遮断する性能は優れている。
2 適切。建築基準法で、組積造については、壁の長さ・厚さが規定され、開口部の大きさや形態の制限なども規定されている。大きな開口部を造ることを避け、壁厚を大きくするためである。
3 適切。補強コンクリートブロック造は、壁で建物を支える壁式構造の一種であり、コンクリートブロック造を鉄筋コンクリートで耐震的に補強改良した補強組積造である。
4 不適切。補強コンクリートブロック造は、壁式構造であるから、壁量を多く必要とする。また、建築基準法上、各階の耐力壁で区画された部分の面積は60㎡以下にしなければならない等の制限があるので、住宅等の小規模の建物に使用される。