下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 令和3年(12月試験) 問3

【動画解説】法律 辻説法

【問 3】 成年後見人が、成年被後見人を代理して行う次に掲げる法律行為のうち、民法の規定によれば、家庭裁判所の許可を得なければ代理して行うことができないものはどれか。

1 成年被後見人が所有する乗用車の第三者への売却

2 成年被後見人が所有する成年被後見人の居住の用に供する建物への第三者の抵当権の設定

3 成年被後見人が所有するオフィスビルへの第三者の抵当権の設定

4 成年被後見人が所有する倉庫についての第三者との賃貸借契約の解除

【解答及び解説】

【問 3】 正解 2

1 家庭裁判所の許可は不要。成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する「建物又はその敷地」について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。したがって、動産である乗用車の売却については、家庭裁判所の許可は不要である。
*民法859条の3

2 家庭裁判所の許可がなければ行うことができない。成年後見人は、成年被後見人に代わって、その「居住の用に供する建物」又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は「抵当権の設定」その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。したがって、本肢の行為は、家庭裁判所の許可を得なければ、成年後見人が代理して行うことができない。
*民法859条の3

3 家庭裁判所の許可は不要。成年後見人は、成年被後見人に代わって、その「居住」の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。オフィスビルは居住の用に供する建物ではないので、家庭裁判所の許可は不要である。
*民法859条の3

4 家庭裁判所の許可は不要。成年後見人は、成年被後見人に代わって、その「居住」の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。倉庫は居住の用に供する建物ではないので、家庭裁判所の許可は不要である。
*民法859条の3


【解法のポイント】本問は、完全にポイントを絞った出題です。この条文(成年被後見人の居住用不動産の処分についての許可)の要件を確認するのに非常によい問題ですので、必ず確認しておいて下さい。