下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 令和2年 問44

【動画解説】 宅建 辻説法

【問 44】 宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、特に断りのない限り、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。

1 昭和55年に新築の工事に着手し完成した建物の売買の媒介を行う場合、当該建物が地方公共団体による耐震診断を受けたものであるときは、その内容を説明しなければならない。

2 貸借の媒介を行う場合、敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項を説明しなければならない。

3 自らを委託者とする宅地又は建物に係る信託の受益権の売主となる場合、取引の相手方が宅地建物取引業者であっても、重要事項説明書を交付して説明をしなければならない。

4 区分所有建物の売買の媒介を行う場合、一棟の建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨の規約の定めがあるときは、その内容を説明しなければならないが、既に積み立てられている額について説明する必要はない。

【解答及び解説】

【問 44】 正解 4

1 正しい。「当該建物(昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手したものを除く。)が地方公共団体による耐震診断を受けたものであるときは、その内容」というのは、重要事項の説明対象である。
*宅建業法施行規則16条の4の3第5号

2 正しい。宅地又は建物の貸借の契約にあっては、「敷金その他いかなる名義をもって授受されるかを問わず、契約終了時において精算することとされている金銭の精算に関する事項」というのは、重要事項の説明対象である。
*宅建業法施行規則16条の4の3第11号

3 正しい。宅地建物取引業者は、自らを委託者とする宅地又は建物に係る信託の受益権の売主となる場合、売買の相手方に対して、宅地建物取引士をして、重要事項説明書を交付して説明をさせなければならない。この規定については、相手方が宅地建物取引業者のときは説明が不要である旨の規定の適用はない。
*宅建業法35条6項

4 誤り。区分建物の売買の契約にあっては、「当該一棟の建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨の規約の定めがあるときは、その内容及び既に積み立てられている額」を説明しなければならない。「既に積み立てられている額」も説明対象である。
*宅建業法16条の2第6号



【解法のポイント】肢1の耐震診断を行った時期についてですが、昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手したものは除かれていますが、本肢は昭和55年と微妙な時期について問われています。もう、これは完全に「昭和56年」という数字もはっきり覚えておいて下さい、という出題者の意思表示です。今後は、年数も覚えておく必要があります。肢3については、分からなかった方は、「保留」でよいと思います。