下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 令和2年 問40

【動画解説】 宅建 辻説法

【問 40】 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者ではないBとの間で宅地の売買契約を締結した場合における、宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づくいわゆるクーリング・オフに関する次の記述のうち、Bがクーリング・オフにより契約の解除を行うことができるものはいくつあるか。

ア Bが喫茶店で当該宅地の買受けの申込みをした場合において、Bが、Aからクーリング・オフについて書面で告げられた日の翌日から起算して8日目にクーリング・オフによる契約の解除の書面を発送し、10日目にAに到達したとき。

イ Bが喫茶店で当該宅地の買受けの申込みをした場合において、クーリング・オフによる契約の解除ができる期間内に、Aが契約の履行に着手したとき。

ウ Bが喫茶店で当該宅地の買受けの申込みをした場合において、AとBとの間でクーリング・オフによる契約の解除をしない旨の合意をしたとき。

エ Aの事務所ではないがAが継続的に業務を行うことができる施設があり宅地建物取引業法第31条の3第1項の規定により専任の宅地建物取引士が置かれている場所で、Bが買受けの申込みをし、2日後に喫茶店で売買契約を締結したとき。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

【解答及び解説】

【問 40】 正解 2

ア 解除できない。宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地の売買契約について、事務所等以外の場所において、当該宅地の買受けの申込みをした者であっても、申込みの撤回等を行うことができる旨及びその申込みの撤回等を行う場合の方法について告げられた場合において、その告げられた日から起算して8日を経過したときは、申込みの撤回等を行うことはできない。この8日というのは、初日を算入するので、書面で告げられた日の「翌日」から起算して8日目に申込みの撤回等をしても遅い。
*宅建業法37条の2第1項1号

イ 解除できる。宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地の売買契約について、事務所等以外の場所において、当該宅地の買受けの申込みをした場合であっても、申込者等が、当該宅地又は建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払ったときには、申込みの撤回等を行うことはできない。しかし、単に宅建業者が契約の履行に着手しただけでは、申込みの撤回等を行うことができる。
*宅建業法37条の2第1項2号

ウ 解除できる。宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地の売買契約について、事務所等以外の場所において、当該宅地の買受けの申込みをした者は、申込みの撤回等を行うことができる。そして、これに反する特約で申込者等に不利なものは、無効とされている。
*宅建業法37条の2第4項

エ 解除できない。宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地の売買契約について、事務所等以外の場所において、当該宅地の買受けの申込みをした者は、申込みの撤回等を行うことができる。そして、この「事務所等」には、継続的に業務を行うことができる施設で専任の宅地建物取引士が置かれている場所が含まれるので、当該場所で買受けの申込みがなされた場合には、申込みの撤回等を行うことはできない。なお、買受けの申込みの場所と、契約の場所が異なる場合は、申込みの場所が事務所等に該当するかどうかで判断される。
*宅建業法37条の2第1項

以上より、契約の解除を行うことができるものは、イとウの2つであり、肢2が正解となる。


【解法のポイント】クーリング・オフは、事例の形で出題されることが多く、また、本問は個数問題ですので、引っかけられないように問題文を読むのが大変ですが、この問題は比較的簡単だったと思います。