下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 令和2年 問20

【動画解説】 宅建 辻説法

【問 20】 土地区画整理組合(以下この問において「組合」という。)に関する次の記述のうち、土地区画整理法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 組合の設立認可を申請しようとする者は、施行地区となるべき区域内の宅地について借地権を有するすべての者の3分の2以上の同意を得なければならないが、未登記の借地権を有する者の同意を得る必要はない。

2 組合の総会の会議は、定款に特別な定めがある場合を除くほか、組合員の半数以上が出席しなければ開くことができない。

3 組合が賦課金を徴収する場合、賦課金の額は、組合員が施行地区内に有する宅地又は借地の地積等にかかわらず一律に定めなければならない。

4 組合の施行する土地区画整理事業に参加することを希望する者のうち、当該土地区画整理事業に参加するのに必要な資力及び信用を有する者であって定款で定められたものは、参加組合員として組合員となる。

【解答及び解説】

【問 20】 正解 2

1 誤り。組合の設立の認可を申請しようとする者は、定款及び事業計画又は事業基本方針について、施行地区となるべき区域内の宅地について所有権を有するすべての者及びその区域内の宅地について借地権を有するすべての者のそれぞれの3分の2以上の同意を得なければならない。未登記の借地権についても、その申告があったものについては、その借地権者も含めて3分の2以上の同意を得なければならない。
*土地区画整理法18条、19条

2 正しい。総会の会議は、定款に特別の定めがある場合を除くほか、組合員の半数以上が出席しなければ開くことができない。
*土地区画整理法34条1項

3 誤り。賦課金の額は、組合員が施行地区内に有する宅地又は借地の位置、地積等を「考慮して」公平に定めなければならない。一律に定めるわけではない。
*土地区画整理法40条2項

4 誤り。組合が施行する土地区画整理事業に係る施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者のほかに、組合が都市計画事業として施行する土地区画整理事業に参加することを希望し、定款で定めることによって、参加組合員として、組合の組合員となることができるのは、「独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社その他政令で定める者」に限る。
*土地区画整理法25条の2



【解法のポイント】本問は、土地区画整理組合に限らず、一般的に会議というのは、構成員の半数以上が出席しなければ開くことができないものですが(定足数)、土地区画整理組合でも同じだろう、ということで素直に解答しておけば正解できた問題ですが、初出題の肢が多く、「自信」を持って答えにくい問題だったと思います。
なお、肢1については、非常に不自然な文章です。「申請しようとする者は … 同意を得なければならない」という趣旨の文章ですが、一体何について同意を得なければならないのか不明な文章となっています。これは、土地区画整理法の条文からいって、解説文のように解釈できますし、いずれにせよ「誤り」ですから、問題は生じないものの、一瞬ビックリします。今年は、本問だけでなく、問40のクーリング・オフの問題でも、クーリング・オフでは、買受けの申込み→申込みの撤回、売買契約→契約の解除という用語の使い方をすると思いますが、それが「申込みの撤回」と「解除」が混乱して使われていたり、問42では正解肢がどれか揉めていたりしています。問42以外は正誤の判断に支障をきたすようなものではないにせよ、問題文のチェック体制については、しっかりしてもらいたいと思います。