下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成30年 問18

【動画解説】法律 辻説法

【問 18】 建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 建築物の高さ31m以下の部分にある全ての階には、非常用の進入口を設けなければならない。

2 防火地域内にある3階建ての木造の建築物を増築する場合、その増築に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であれば、その工事が完了した際に、建築主事等又は指定確認検査機関の完了検査を受ける必要はない。

3 4階建ての事務所の用途に供する建築物の2階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。

4 建築基準法の改正により、現に存する建築物が改正後の規定に適合しなくなった場合、当該建築物の所有者又は管理者は速やかに当該建築物を改正後の建築基準法の規定に適合させなければならない。

【解答及び解説】

【問 18】 正解 3

1 誤り。建築物の高さ31m以下の部分にある「3階以上の階」には、非常用の進入口を設けなければならない。すべての階に非常用の進入口が必要となるわけではない。
*建築基準法施行令126条の6

2 誤り。木造建築物は、3以上の階数を有する場合の増築には、基本的に建築確認及び完了検査が必要となるが、防火地域及び準防火地域「外」において建築物を増築しようとする場合で、その増築に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であるときは、建築確認及び完了検査は不要である。本肢では、防火地域「内」であるから、増築に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であっても完了検査を受ける必要がある。
*建築基準法6条2項参照

3 正しい。2階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。
*建築基準法施行令126条1項

4 誤り。建築基準法の改正により、現に存する建築物が改正後の規定に適合しなくなった場合、改正後の建築基準法の規定は適用されず、当該建築物の所有者又は管理者は当該建築物を改正後の建築基準法の規定に適合させる必要はない。いわゆる既存不適格建築物である。
*建築基準法3条2項



【解法のポイント】本問は、肢1と肢3が建築基準法施行令からの出題で難しかったと思います。肢1は初出題だと思いますが、正解肢の肢3は過去問に出題があります。過去問をきっちり勉強している人と、ラフにしか勉強していない人とで差が出た問題だったと思います。